『アメリカン・ホラー・ストーリーズ』は、 人気ドラマシリーズ『アメリカン・ホラー・ストーリー』のスピンアウトで、一話完結の新シリーズ。第1話と第2話は『ラバーマン再び(前・後編)」で、アーロンは第2話の中盤に出てくる改装業者のアダムを演じた。
予告編ではギャビンとアーロンのわけありそうなシーンが一瞬登場し、Miscastの名コンビの共演に期待が高まった。
日本では2021年12月15日よりディズニープラスで配信中。
アダムが出てくるあたりのあらすじ(ネタバレ注意・流血注意)
マイケル(マット・ボマー)とトロイ(ギャビン・クリール)は、ホーンテッドB&Bを経営して大儲けしようと考え、殺人のあった幽霊屋敷を買い取って娘のスカーレット(シエラ・マコーミック)と共に引っ越してきた。しかし、奇妙な出来事が続き父親たちの関係は悪くなり始める。スカーレットは家に取り憑いた幽霊の少女ルビーと恋仲になる。スカーレットは学校で酷いいじめを受け、ラバーマンのスーツを着て首謀者の4人の少女を殺害し改装中の家の壁の中に塗り込める。そうとは知らず父親たちはスカーレットのために家族カウンセリングを受けたり、警察の捜索を追い返したりする。DIYでの改装は進まず資金も底をつきかけて、トロイは改装業者を呼ぶ。
改装業者のアダム(アーロン・トヴェイト)はトロイたちのDIYに辛辣な感想を述べる。素人が改装すると離婚と破産が待っている、と言われたトロイは図星を指されて「頼むから改装を引き受けてくれ」とアダムに懇願する。
「どこで俺を?」「業者のリストの中で君だけがシャツレスだった」「最近は目立つのが難しいから」「目的は達成したね」ふたりが意味ありげな笑みを交わしたところに、マイケルが買い物から帰ってくる。空気を察したマイケルが「業者に払う現金は残っていない」と追い返そうとするが、アダムは「幽霊屋敷を改装して生き残ったとなれば、俺にとってもいい宣伝になる。お互いにとっていい条件を見つけられるよ」と契約に持ち込む。
アダムとトロイは地下室で秘密の関係を持つが、作業員のマーティンが「壁から異臭がする」と呼びにくる。マイケルとトロイの立ち合いのもとアダムがハンマーで壁を壊すと、4人の少女の死体が現れる。トロイたちが狼狽する中、アダムは持っていたハンマーでいきなりマーティンを殴り殺し「こいつは善人だからあとあと厄介だ」という。実は彼は離婚や顧客とのトラブルなど未解決の訴訟を抱えていた。マーティンの死体も少女たちと同じ壁に入れ石灰で消臭して綺麗に補修してホーンテッドB&Bの共同経営をしたいと持ちかけ、「こう見えても改装の腕はいいんだ。盗みと無分別な暴力の癖はあるけど」と笑う。
一見普通のセクシーな改装業者のアダムがその破綻した内面をぺろりと現すこのシーン、無茶苦茶なことを言っているのに、彼の中では整合性がとれているらしいところがこわい。
この後アダムはトロイと関係を持ったことをほのめかす。怒ったマイケルがトロイと喧嘩を始めると「席を外したほうがいいかな」などと呑気に言ってマイケルに「出ていけ」とつまみ出され、玄関のドアを開けた瞬間ラバーマンに刺し殺される。
この家で死ぬとみんな地縛霊になってしまうらしく、アダムは帰宅したスカーレットの前に刺殺されたままの血まみれの姿で現れる。ここで彼女を脅すのか殺そうとするのかと思いきや、「ホームデポで石灰を買ってきてくれ」とお使いを頼むのがちょっと笑える。しかもその石灰、自分たちの死体の消臭用でしょ?そして「買い物リストだ」とリストを作っておいてくれるマーティンは本当に善人だ。
この後、トロイもマイケルも実は既に死んで幽霊になっていたことがわかる。金銭の悩みからも解放されて、アダムが全ての改装をやり終えた家で、他の幽霊たちと一緒に賑やかに暮らしている。
考えようによってはハッピーエンド?な話だった。
インタビュー
TV Lineのインタビューでこのドラマについてアーロンが話していたことが面白かったので訳してみた。
アダム役について
「この男は基本的に(主人公たちの)結婚と関係を完全に崩壊させる役割を担っています。彼は日和見主義者で、人を巧みに操る。(ホラーは)僕にとって初めての作品だけど、これまでも最初はまともに見えてあとで一転するキャラクターをいくつも演じてきました。僕はこんな風変わりな暗い人物を探すのが好きなんです。実はこれまで演じてきたのも、王子よりもjust-off guyが多かった。この作品では、思い切った演技ができると思います。『アメリカンサイコ』のパトリック・ベイトマン的なソシオパスが頭に浮かんだんだ」。
こういう2面性のあるダークな役はアーロンの十八番ですね。人を手にかける役は初めてだけど。
ギャビン・クリールやマット・ボマーとの共演について
アーロンが「残忍で、暴力的で、予想外の」と語るこの役の魅力のひとつは、マット・ボマーや、長年親交のあるギャヴィン・クリールと共演できることだった。
「ギャビンと僕は長い付き合いで、いろいろな作品で歌ってきたけど、ちゃんと一緒に仕事をしたことはなかったんです」「マットはUSAのジェフ・イーストンの『ホワイトカラー』の主役で、USAの『グレイスランド』もジェフ・イーストンのドラマだったので、マットとはお互いのドラマがスタートした時に知り合ったんです。彼は僕にとって素晴らしい存在でした。この作品に出ることは、撮影現場でほとんどの時間を一緒に過ごす2人がマットとギャビンだということも含まれていたから、夢が叶ったよ」
ミスキャストの種明かし
Miscast 2021はCOVIDのパンデミックの影響でまだ隔離されたオンラインセッションが多かった中、アーロンとギャビンが披露したジキル&ハイドの「In His Eyes」のラストは想定外だった。
「僕たちのギャグは、最後に僕たちが同じフレームに入ってしまうことでした。僕たちはAHSを撮影している間、同じ集合住宅に住んで共同隔離をしていたんです。この番組のために一緒にいたからこそ、あのギャグが成立したんだ。でもあの時はまだアメリカン・ホラー・ストーリーズとは言えなくて、何をやっているのか曖昧にせざるを得なかったんです」
今後のアメリカン・ホラー・ストーリーズへの出演について
プロデューサーのライアン・マーフィーはシリーズの中で同じ俳優を何度も使うことで知られている。(アーロンはシーズン1の第6話でも主役のジェイ・ガンツを演じている)
「特にあの番組で、(マーフィーの)俳優の仲間になれたら幸せです。さまざまな演劇プロジェクトを行う劇団を思い起こさせる、とても楽しくて、とても特別な世界です」
AHSのTwitter
「私たちはこのAHStoriesのレジェンドである彼らをとても気に入ったので、またお招きしました。アーロン、カイア、シエラ、AHSの世界へようこそ。」
これで終わらずぜひ次のシーズンにもアーロンを呼んでくださいー!
プロデューサーのライアン・マーフィーとのご縁
ちなみにライアン・マーフィーはGleeのプロデューサーでした。下のオーディション動画にはアーロンのオーディション風景がチラッと映った後に、ライアン・マーフィー(らしき人)に「もっと中西部の子みたいのが欲しいんだよ。こんなアバクロのモデルみたいな子じゃなくて」と褒められてるんだかけなされてるんだかよくわからない感じで落とされているのが映っています。この時採用しないでくれて、そして今採用してくれてありがとう!