パトリック・ライアン/USA TODAY 2026年3月6日
ニューヨーク — 「チェス」のマーケティングチームに神のご加護を。
昨秋にブロードウェイ・リバイバル公演が開幕して以来、毎週のように主演の3人はあらゆるバイラルミームに乗っかり、PinkからNelly、『ウィキッド』まで何でもソーシャルメディアでリップシンクしてきた。
「5年前に『チェス・ザ・ミュージカルをやりながらTikTokトレンドに参加するよ』と言われたら、ありえない、と思ったでしょうね」とアーロン・トヴェイト(42歳)は、ニコラス・クリストファー(35歳)とリア・ミシェル(39歳)との合同インタビューで語る。
3人が個人的にお気に入りだと挙げたのは、「ナターシャ・ベディングフィールドのやつ。ヘアブラシを持った懐かしのレイチェル・ベリー(『グリー』)を復活させたの」とミシェルは笑顔で話す。
「そしたら本人がコメントしてくれたんだ!」とクリストファーが付け加える。あの動画は「舞台裏の雰囲気をよく表してる。ステージ上はとてもヘビーだけど、裏ではのんびりやってるんです」。

ABBAのベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースによる耳に残るスコアを擁する『チェス』は、冷戦時代を舞台に、ソ連のチェス・グランドマスター(クリストファー)、その米国人の対戦相手(トヴェイト)、そして両者を愛する女性(ミシェル)の恋愛模様を描く。1988年のブロードウェイ初演では不評を買ったものの、その後カルト的な人気を獲得し、今では興行的な大ヒット作となっている。
3人に舞台裏の工夫や子育て、さまざまな話を聞いた。

リア、公演前のルーティンが多すぎると言っていましたね。いくつか教えてもらえますか?
リア・ミシェル:メイクをしなきゃいけないんですけど、私、本当に下手なんです。ニックが時々見に来てくれるんですけど、彼も「下手だね」って認めてるくらい(笑)。アーロンも遊びに来てくれるし、ショーの前にはお母さんに電話するのも欠かせない。それから子どもたちの様子を確認する——家の子どもたちのカメラを全部チェックして、みんな大丈夫か確かめるんです。
それと、楽屋に1996年の自分の写真を飾っていて、ショーの前に必ず向き合う時間を作っています。30年前にブロードウェイデビューしたのと同じ劇場に今いるわけですから。だから小さなことがたくさん——真剣なものも、ちょっとおかしなものも、絶対に話せないものも。
お子さんたちは『チェス』の曲でお気に入りはありますか?
ニコラス・クリストファー:うちの娘たちは、家で歌ってほしくないみたいで。歌い始めると耳を塞いで「パパ、やめて!」って(笑)。でも “Where I Want to Be” は大好きです。
ミシェル:うちの息子もその曲が大好きで、私に歌わせるし、ニックにも歌ってほしがるんです。
クリストファー:しかも息子くんが僕にダメ出しするんですよ。
ミシェル:そう、息子がニックに演技指導するの(笑)。
アーロン・トヴェイト:うちの娘はもうすぐ15か月ですが、『チェス』の曲は何を歌っても反応しないんですよ。でも『美女と野獣』の「ベル」を歌うと、一気に引き込まれるんです。
ミシェル:それ最高すぎる。これでみんながアーロン・トヴェイトの「ベル」を求めるようになるわね。

『チェス』のような作品で、ミュージカルが華やかな娯楽でありながら、深いメッセージを忍ばせることができると気づいたきっかけは?
ミシェル:『ラグタイム』に出たとき、重要な物語を伝えているんだと感じました。それから『スプリング・アウェイクニング』も——こういう、今の時代にものすごく響く作品に携わること。意味のないことはやりたくないんです。
クリストファー:『ラグタイム』は大きかったですね。僕は「スクール・エディション」に出て、アンサンブルのハーレムの男性を全員演じたことで有名で(笑)。横分けの髪型にするのに何時間もかけましたよ。
ミシェル:遠い昔の話ね!(笑)
トヴェイト:ひえー!
クリストファー:そうでしょ(笑)。でもあの作品で「これは楽しくてエンタメだけど、語っている物語には重みもある」と初めて実感しました。
トヴェイト:『ネクスト・トゥ・ノーマル』に参加して、舞台でやることの力を思い知りました。同じように、最初の仕事だった『レント』のツアーで、公演に対してピケが張られているような街にも行ったんです。そこで、この作品を受け入れてもらえる場所を求めてお客さんが来ていることをすぐに悟りました。同時に、内容に反対する人も来ていて、その人たちの考えを変えていく経験もしました。
このスコアは決して楽ではないですよね。毎晩一番の山場はどこですか?
クリストファー:文字通り「マウンテン・デュエット」です!
ミシェル:アーロンに向かって叫んだ後に「ノーバディズ・サイド」を力強く歌って、それから「マウンテン・デュエット」のためにまったく別の声、もっとリリカルなソプラノに切り替えるんです。『ファニー・ガール』でファニー・ブライスを演じたときも声的には大変でしたけど、今回はそれと同じくらい、あるいはそれ以上の挑戦。でもそれがあったからこそ、この仕事を受けようと思えたんです。
アーロン、「ワン・ナイト・イン・バンコク」でズボンの中に吊り上げられる場面、周りの人がみんな息をのんでいましたが。失敗したことはありますか?
トヴェイト:2回ミスがあって、成功率99%です。まあまあいい数字でしょ。面白いことに、あの場面は客席から最も安定して反応をもらえるんです。あんなに受けるとは思っていなかったけど、格好いい瞬間ですよ。ズボンの中に吊り上げてもらえるんだから!
ミシェル:みんな大喜びよ。本当にスムーズで!

声とスタミナを維持するための意外な工夫は?
トヴェイト:リアは嫌がると思うけど—担当衣装スタッフが僕の楽屋を熱帯雨林にするんです。劇場の中が乾燥しているから、蒸気を作るためにシャワーをつけてもらってます—短時間だけ! だから僕の楽屋に入ってくる人みんな「こんなに冷え込む劇場で、ここだけなんで暑いの?」って。
ミシェル:地球を壊してるわ(笑)。中はまるでレインフォレスト・カフェみたい。アルコールを一切飲まないことが、このスケジュールを続けるうえで絶対に必要なことです。夜の公演のためにいろんなケアをするんですが、仕事に行く前に一番大変な仕事があって——それが親であること。3人で5歳以下の子どもが5人いるんです。エネルギーを全部使い果たすわけにはいかない。だから結局、睡眠をとること、水を飲むこと、ちゃんと食べること——地味なことが効くんです。でも先日はビタミンCの粉末を飲んで、のどに蜂蜜を直接流し込みました。何でもやるわよ!
クリストファー:鼻うがいも欠かせませんね。それと公演ごとに青リンゴを1〜2個食べます。体のpHと同じだから、水分補給になるし、ペクチンという成分が痰を取り除く助けになるんです。
3人とも演者として、パートナーとして、親として、似たような人生の局面にいますね。お互いに支え合えることはどういう意味を持ちますか?
トヴェイト:本当にすごいことだと思います。しかも3人だけじゃなく、カンパニーの中にも子育て中のメンバーが多い。20歳の若者ばかりでツアーをしていた20年前とはまったく違いますね。この仲間意識が本当にありがたい。
ミシェル:毎日子どもたちと離れるのはとても辛い。パフォーマンスが大好きだし、好きなことをやっている私の姿を子どもたちに見せることは大切なこと。でもだからといって楽になるわけじゃないし、涙が出る日もある。それでも毎日職場に来て、この2人に「今日は子どもたちがすごく恋しい」と言えることがどれほど助かることか。その支えがあるから、今が仕事で一番幸せな時期だと思えるんです。一人じゃない、って感じられる。
クリストファー:ときには目が合うだけで、あるいは「大丈夫、ついてるよ」の一言だけで伝わることもある。それに、うちのカンパニーはドラマがない。ドラマは舞台の上だけ。家族を離れることの代償を全員が理解しているから、真剣に向き合えるし、でも笑い話をしたり、お茶と蜂蜜を分け合ったりもできる。
『チェス』はインペリアル・シアター(249 W. 45th St)にて上演中。