この手はきっとアーロンの手。親指が。

アーロンのCHESSを観に行くための予習の記録です。セリフも歌詞も絶対に聞き取れない自信があるので、できるだけ事前に調べていきますよー。

2025年版 背景年表

CHESSミュージカル(2025)の中の出来事歴史上の出来事
1947年 第二次世界大戦終結 
以降1989年までを米ソ冷戦時代と呼ぶ
?アナトリー(?) 幼少期に親から引き離され
チェス養成所で訓練を受ける
1956フローレンス(10) ブダペストに侵攻してきた
ソ連軍に父親が連行され、母親は射殺される
難民として救済され米国の家庭に引き取られる
1956年 ハンガリー動乱
?フレディ(11) 全米チャンピオンになる1958年 ボビーフィッシャー(フレディのモデル)
15歳でグランドマスターになる
?フレディ(12) 父親が出ていく
1972フローレンス(26) フレディ(?)のパートナーになる1976年 民主党ジミー・カーターが大統領に
?ストックホルム大会
 フローレンスとアナトリーが出会う 
1978年 ソ連がアフガニスタンに侵攻
1979世界チェス選手権 メラーノ(イタリア)大会
 フローレンスとフレディ 破局
 フレディ チェス競技から引退
 フローレンスとアナトリー イギリスに亡命
1979 SALT II 条約 調印したものの批准せず
1980年 共和党ロナルド・レーガンが大統領に
1982年 ソ連のブレジネフが死去 アンドロポフが指導者に
1983世界チェス選手権 バンコク国際大会1983年 NATOが大規模軍事演習「エイブル・アーチャー83」を実施
ソ連の情報機関は米国が演習と称して核の先制攻撃をしてくると考え、
核ミサイルの発射準備を進めていたが、間一髪で回避された。
1984年 CHESS ミュージカルが書かれた年

2025年版 キャスト

役名俳優役柄(キャストコール時の設定)
フローレンス・ヴァッシーリア・ミシェル 女性、30代
フレディの恋人でありセコンド(チェス試合におけるコーチ)。
聡明で知的、タフで現実的、そして感情的に成熟したフローレンスは、
戦時中の父親の失踪というトラウマに悩まされながら、
フレディとアナトリーの相反する愛情を巧みに操る。
力強いベルトワークが魅力のメゾソプラノ。

フレディ・トランパー 
アーロン・トヴェイト男性、30代
アメリカ人グランドマスター。
世界チャンピオンをかけてアナトリーと戦う。
気性が激しく、傲慢で、感情の起伏が激しい。精神的に不安定で、自尊心が強い。
内面の葛藤と偏執病が、しばしば人間関係やキャリアを阻害する。
ロックテナー。
アナトリー・セルゲイフスキーニコラス・クリストファー男性、30代
ロシア人グランドマスター。
ソビエト連邦のチェスの名手。
冷静沈着で内省的、聡明で信念を貫くアナトリーは、
個人の自由と政治的忠誠心の間で葛藤する男。
バリテノールまたはハイバリトン。
アレクサンダー・モロコフブラッドリー・ディーン男性、40代~50代
ソ連チームのチェス・コーチでありKGB(ソ連の政治工作員)。
打算的で生意気。魅力的だが策略家でもあるモロコフは、
ソ連の利益のためにアナトリーを操り、脅迫を礼儀正しさで覆い隠すなど、
舞台裏で政治ゲームを巧みに操る。
コメディのテンポが抜群。バリトン。
ウォルター・デ・コーシーシーン・アラン・クリル男性、40代~50代
アメリカ政府のCIAエージェント。
タフで、イカした男。フレディのマネージャーとして登場する
ウォルターは、密かに政治的陰謀に関与し、フローレンスのストーリーと
アメリカの利益に密接に関わっている。
コメディのテンポが抜群。バリトン。
アービター(審判員)ブライス・ピンカム男性、30代~40代
審判員 兼 ナレーター。
チェストーナメントの厳格かつ中立的な審判。冷静沈着で権威主義的、
そして揺るぎない。
あらゆる出来事を鋭く皮肉っぽく観察する。
ユーモアセンスも抜群。テノール。
スヴェトラーナ
・セルギエフスカヤ
ハンナ・クルズ女性、30代
アナトリーの別居中の妻。
アナトリーの選択がもたらす個人的かつ政治的な影響に巻き込まれ、
家族と地位を守るためならどんなことでもする。
力強いハイベルトを持つメゾソプラノ。

キャストコール https://playbill.com/job/chess-broadway-equity-video-submissions-deadline-06-04-25/0a7ff8a2-9a7e-4bfd-a9df-951c998d74a2

ミュージカルCHESSについて 

『CHESS』はティム・ライス作詞、ABBAのベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァース作曲のミュージカル。
1984年、ミュージカルを制作する前にコンセプトアルバムをリリース。このアルバムは大絶賛で、英独ではトップ10ヒット、アメリカでビルボード47位、ベニーとビョルンの本拠地であるスウェーデンのチャートでは7週間1位になった。シングルカットされた『ワン・ナイト・イン・バンコク』は世界的なヒットとなり、『アイ・ノウ・ヒム・ソー・ウェル(英語版)』は全英チャート1位に輝いた。
ミュージカルは1986年、ウエストエンドで初演、3年間のロングラン。楽曲はすばらしいが物語がわかりにくいという批評もあった。それを受けて1988年のブロードウェイ版は大きく脚本を変えたが、これが大コケ。わずか2ヶ月でクローズとなった。以降今日まで、世界各地でコンサートバージョンが開催され、ミュージカルバージョンもブロードウェイ版の問題を修正する多くの試みが続けられてきた。

つまり、「音楽は素晴らしいんだから脚本と演出をあともうちょっと!」って言いながらこの40年、未完成のままいろんな試行錯誤を重ねてきて、いよいよブロードウェイリバイバルって感じでしょうか。ミュージカル界のサグラダ・ファミリアかよ。

ABBA and The Cold War: The History of CHESS the Musical [CC] CHESSの制作をめぐるドキュメンタリー

https://www.youtube.com/watch?v=MOvrbP848Sg

記事:CHESSがブロードウェイに戻ってくる:伝説的なミュージカルについて知っておくべきことのすべて(Broadway World)https://www.broadwayworld.com/article/Everything-You-Dont-Know-Yet-About-the-Musical-CHESS-20250601?utm_source=newslettergrid&utm_medium=email&utm_campaign=weekly&uuid=1170079&utm_content=zid-1170079

同プロダクションのコンサート版

今回の演出はトニー賞受賞者マイケル・メイヤー、そして脚本はエミー賞受賞者ダニー・ストロング。振付はロリン・ラタロ。
このチームで過去にCHESSのコンサート版が2回行われています。それらを引き継いでの新作脚本なので、過去映像が参考になるかも、と思って集めてみました。

2018年2月14日~18日、ケネディ・センターにて セミステージ形式のコンサート

ブロードウェイ前のトライアウトという位置付けで、ラウル・エスパルサ(フレデイ)、カレン・オリヴォ(フローレンス)、ラミン・カリムルー(アナトリー)、ルーシー・アン・マイルズ(スヴェトラーナ)という超豪華版。

フローレンスがムーラン・ルージュオリジナルサティーンのカレンさん!!! ダンサーにもムーラン・ルージュのBWオリジナルキャストが。『ワン・ナイト・イン・バンコク』を歌うラウル・エスパルサのフレディの右にエリカさん、左にパロマさん。モーガンさんの顔も見えます。

https://youtu.be/DjBYAYcBCyI?si=4EmQb95zEuuZ8czC

ところで、アーロンフレディもこんなセクシーダンスを…?

めちゃめちゃセクシーなTotally not Chess at the Kennedy Center (Feb 17th 2018) 盗撮なのでこっそりリンク。何度も言いますがこれをアーロンが?
この公演の批評でも、キャストは絶賛される一方で脚本はぎこちないと言われています。冷戦とチェスの試合と人間関係を絡めるのが相当難しいらしい。

2022年12月12日 ブロードハースト劇場でワンナイト・ベネフィット・コンサート

2022年12月12日に、Broadhurst Theatreで「Chess」のチャリティーコンサートが開催されました。このコンサートは、Entertainment Community Fund(旧Actors Fund)のプログラムやサービスを支援するためのもので、Entertainment Community Fundによるものです。
キャストはダレン・クリス(フレデイ)、レナ・ホール(フローレンス)、ラミン・カリムルー(アナトリー)、ソレア・ファイファー(スヴェトラーナ)。
この時も「新作脚本」と言っています。

この時のダレン・クリスのフレディはちょっとミスマッチだったらしい…。

時代背景

「本作(2018年ケネディセンター公演)は、1986年のウエストエンド公演のオリジナルプロットをほぼ踏襲しつつも、大幅に拡張されています。各幕には政治的な背景があり、第1幕は1979年を舞台に、SALT-II条約交渉を軸に、第2幕は4年後を舞台に、軍事演習「エイブル・アーチャー83」をめぐる疑惑を軸に展開します。ウォルターはもはや偽装を解かれ、公然とCIAエージェントです。ショーはフローレンスの父親が釈放されるところで幕を閉じます。」(https://en.wikipedia.org/wiki/Chess_(musical)

と言われましても。歴史にうとい私には、なにがなにやら。SALT-II条約交渉とか軍事演習「エイブル・アーチャー83」をめぐる疑惑とか、みんな普通に知ってるの?(涙)歴史に全く疎い私のためにAIで中学生にもわかるようにまとめてもらいました。

SALT-II 第二次戦略兵器制限交渉

SALT-IIは1970年代にアメリカとソ連の間で行われた交渉で、お互いの核兵器(ミサイルなど)の数や種類を制限しよう」という内容だった。互いに相手を疑い、少しでも有利にしようと駆け引きを重ねた。冷戦下の不信感が交渉を難しくした。

① 相手の「手の内」を探る
アメリカ:「ソ連はどこまで本気で制限する気があるんだ?」
ソ連:「アメリカは自分たちの新型ミサイルを止めるつもりがあるのか?」
お互いに、「相手がズルしないか」気にしていた。

② 自分に有利なように交渉
アメリカ:「ソ連のミサイルは強力すぎる!」と文句を言い、
ソ連:「アメリカは偵察衛星で監視しすぎだ!」と不満を言う。
お互い、少しでも自分に有利な条件になるように交渉していた。

③ 国内の反対意見も気にしていた
アメリカでは「ソ連と約束しても守らないかもしれない」と反対する政治家がいた。
ソ連も、軍の中には「もっと兵器を持ちたい」と思っている人がいた。
だから、交渉はとても慎重に進める必要があった。

結局どうなったの?
SALT-IIは1979年に合意されましたが――
その後、ソ連がアフガニスタンに軍を送ったことで、
アメリカの議会が条約を正式には認めなかった(批准せず)。

軍事演習「エイブル・アーチャー83」をめぐる疑惑

1983年のNATO軍事演習「エイブル・アーチャー83」が本物の攻撃と誤解され、ソ連が核戦争の準備を始めたとされる事件。冷戦時代の誤解の怖さを象徴する。

誤解が解けたのは、いくつかの理由が重なったため。
1. 実際の攻撃行動がなかった
 ソ連は、アメリカやNATOが本当に攻撃を始めるなら「核ミサイルの準備」や「軍の動き」があるはずと見ていました。でも演習中にそういう本格的な動きがなかったため、「やっぱりこれは本物の戦争じゃない」と判断したようです。
2.ソ連の一部の諜報員(スパイ)が冷静だった
 西ドイツにいたソ連のスパイ「オレグ・ゴルディエフスキー」は、「これは演習にすぎない」とモスクワに伝えていたとされます。こうした内部の冷静な情報も、戦争を防ぐ助けになりました。
3. NATOの演習が終わった
 演習が予定通り終了し、部隊が引き上げていくのを見て、ソ連も「やっぱり演習だった」と確信しました。
このようにして、「行動」と「情報」で誤解がほどけた。つまり、「様子を見て冷静に判断したこと」が、核戦争を防いだ。

チェス用語

グランドマスター:国際チェス連盟(FIDE)により付与されるチェスのタイトル(称号)で、「世界チャンピオン」を別にすれば、チェス選手の最高位のタイトル(wiki)

セコンド:公式試合などのとき、選手に代わって相手の戦略及び戦術を調査・研究する人のこと。(http://home.d02.itscom.net/rainbow/chess/chess-term/CHESS-termSA.htm) 王者決定戦のようなシーンでは本人と数人のセコンドがチームを組んで戦法を準備するのが一般的。(https://note.com/dragontarou/n/n4020bcf26536)

チェスのセコンドは、選手をサポートするために、さまざまな役割を担う。主な役割としては、情報収集、戦術分析、試合中のアドバイスなどがある。セコンドは、選手の強みを活かせる戦術を提案したり、試合中の状況を分析して最適なアドバイスを提供したりすることで、選手の勝利に貢献する。

アービター:チェスの大会を取り仕切る審判的な役割の人。(https://e-and-a-chess.com/?p=3713#toc15)

エンドゲーム(Endgame) :盤上に駒が少なくなった終盤のこと (https://romantic-chess.com/chess-terminology/#toc18)

Chess the Musical についてのサイト

40年近いファンがついてるミュージカルはサイトもすごい。

CHESSの歴年の公演についてのめっちゃ詳しいサイト。詳しすぎる。英語だけど翻訳かければへっちゃら。
Chess – The Musical chessthemusical.weebly.com

日本にも公式サイトがある。情報量がすごい。
CHESS OFFICIAL JAPAN ameblo.jp/chessjapan/