ザッカリー・ブールはハンサムでセクシーな新進気鋭の劇作家。ドラマデスク賞を受賞し「再発見」をテーマとした新作の舞台を制作中だ。ベティのインタビューを受けた彼は、本名はエズラ・ブティンスキー、そしてオフレコと断って自分の経歴は粉飾されていて、実際の自分は眼鏡で矯正器具を付けた冴えないやつだった、と語る。仕事の話になると情熱的で、自分とは正反対の人物を作り上げるのが楽しい、感情の赴くままに生きれば人生はもっと楽しいはず、と語り、魅了されたベティにいきなりキスされる。

ベティの妄想の中のザッカリーは、脚本を読んでいるだけなのにやたらセクシーだ。そして実際にザッカリーがベティをデートに誘いに現れ、取材相手と付き合うなんてプロのジャーナリストとして許されない、と考えるベティに、誰にも見つからないように秘密のデートをしようと持ちかける。人目を避けるための2人のドタバタも可愛らしい。

交際が順調に進み、プロ意識云々は考え過ぎだったと知ったベティは、ザッカリーに新作舞台のオープニングに恋人として一緒に行きたい、と言う。ザッカリーは「母親と一緒に行く約束を断るよ」と言うが、ベティは遠慮してプレスシートで参加する。しかし劇場で見たのは、モデルのような美人とともに登場するザッカリーだった…。

ザッカリーは本当にベティを好きだったのだろうけれど、彼自身の自己肯定感の低さゆえに「感情の赴くままに生きよう」ということばが急に薄っぺらくなってしまう様子をアーロンはうまく演じている。