📷 Yuko_AT_JPN
2023年5月3日(水)午後7:30から、ペンシルベニア州マーシーハースト大学内のMary D’Angelo Performing Arts Centerで、アーロンのライブコンサートが行われました。これはマーシーハースト大学芸術文化研究所の2022-23 MIACライブシリーズの最後を締めくくるライブでした。
マーシーハースト大学は、五大湖の一つエリー湖のほとりのエリーにあります。最寄りの空港はエリー国際空港とバッファロー・ナイアガラ国際空港。エリーはオハイオ州と隣接していて、その先にはMoulin Rouge!The Musical でおなじみのクリスチャンの出身地ライマLimaが見えます。
2023年5月3日 いよいよコンサート!
あいにくの雨、気温は摂氏4度。寒いです。マーシーハースト大学はローマカトリック系のリベラルアーツ大学。校門を入るとマリア様の像のある庭園を囲むようにゴシック様式の校舎が立っていました。美しい。
コンサート会場のMary D’Angelo Performing Arts Centerはこの奥。開場時間より1.5時間ほど早く着いてしまいましたがロビーまでは入ることができて、なんと、アーロンがウォームアップで練習している声が聞こえてきました。
そしていよいよ開場。レッグルームの広い気持ちのいいホールです。
このコンサートは卒業生や地域のコミュニティの方々の協力で開催できているそうで、聴衆は学生さんと地元の方々と全米25州&世界5カ国からのアーロンファン、という感じでした。
セットリストは以下の通り。
セットリスト
Thanks always lovable22 on Tumblr!
- What Do I Need with Love (Thoroughly Modern Millie)
- Come Ready and See Me
- Fight the Dragons (Big Fish)
- I Could Be in Love With Someone (Last 5 Years)
- One Song Glory (RENT)
- Without You (RENT)
- Can’t Tame Me (Schmigadoon)
- Doorway to Where (Schmigadoon) *
- I Miss the Mountains (Next to Normal)
- Dancing on my Own (Calum Scott version)
- Thunder Road (Bruce Springsteen)
- Being Alive (Company)
- ENCORE – Your Song (Movie Version)
動画
Aaron Tveit full concert @ Mercyhurst University (05/03/23) 📹S D Youtube
アーロンの大学生時代から現在までのキャリアと考え方の変遷を辿って、MCでは人柄を身近に感じ、歌が始まればまるでその舞台を見ているように惹き込まれる、アーロンの魅力を存分に浴びることができるコンサートでした。
1. What Do I Need with Love (Thoroughly Modern Millie)
2. Come Ready and See Me
大歓声に迎えられたアーロンは早速What Do I Need with Loveを小粋に歌い上げて「やあ!マーシーハースト大の皆さん。今年のライブシリーズの締めに僕とブライアン・ペリーを呼んでくれてありがとう!大学で歌うのは自分の学生時代を思い出せて本当に好きなんだ」。
オープニングをこの曲にしたのは、大学2年の時に「モダン・ミリー」を演じたからだそうです。
1年の時には声楽専攻でクラシック音楽を学んでいて、こんな美しいホールで歌ったりもした。そのなかから次の曲をあなたに。とウィンクして2曲目のCome Ready and See Meを歌い始めました。ウインク上手くなったよね?あと、ピアノのブライアン先生も学生時代クラシック専攻だったそうです。
3. Fight the Dragons (Big Fish)
大学1年生のおわり、声楽専攻で大学に入学したにもかかわらず、演劇がやりたくてひどく悩んだ時期があった。両親が「どうした?」と聴いてくれて、打ち明けたら「やってみればいい、どうしてやらないんだ?たとえ失敗したってまだ24だよ」と後押ししてくれて演劇に専攻を変えた。この歌は勇気をくれた両親を思い出すんだ、と言って歌いました。
今回はいつもより父親らしさが強く出ているように感じました。自分の仕事に誇りを持ち、いつか息子も誇れる仕事ができる男に成長することを信じている様子が、より深く鮮明に伝わってきました。
4. I Could Be in Love With Someone (Last 5 Years)
(ここのMCはあまりよく聞き取れなかったので、わかった方は教えてください🙏)演劇専攻になってからはいろいろな舞台を演じたけど、ある時誰かがLast 5 Yearsのブートレグの楽譜を持ってきて「すげー!」と盛り上がって演じた、みたいなことを語っていて、ブライアン先生が「ええ〜今のは聞かなかったことにしておく」みたいなことを言って笑いをとっていたような気がします…。
これもコンサートでお馴染みのノリの良い曲。Cause she slept with my brotherで聴衆がドッと笑う。リバーダンスをわざわざ踊ってくれるのがかわいいです。最後のSomeone like youはちょっとだけオプトアップしたかな?
5. One Song Glory (RENT)
6. Without You (RENT)
大学2年の終わりにRENTのツアーに参加できることになった話をして、One Song Glory 。
1番を歌い上げた後、2番でなんか歌詞を間違えたような気がしますが、気のせいでしょうか。
そして「次の歌は僕は演じなかったけれど、本当に気に入っている曲なんだ」と水を一口飲んでからWithout You。(今回のお水はFIJI。私も偶然同じものを持っていて、それだけでもうれしいたわいないファンでした☺️)
「あなたがいなくても世界はいつも通り回っていく。でも僕は死んでしまうんだ」という、たゆたうようなメロディーのこの曲は、アーロンの声はもちろん表情が本当に切なく美しい。しみじみとした感動が広がりました。
7. Can’t Tame Me (Schmigadoon)
8. Doorway to Where (Schmigadoon)
「今夜はシュミガドーンシーズン2の最終回だ(大拍手)」と言ったアーロンは、シーズン1と2の世界観をざっと語ってから自信満々のダニー・ベイリーになってCan’t Tame Meを歌い上げます。
「シーズン1では、(回転木馬の)ビリー・ビゲローのコメディ版を演じることができたんだ。シーズン2はショーランナーのシンコ・ポールから、『君の役はピピンであり、ゴッドスペルのジーザスで、ヘアーのクロードで、JCSのジーザスみたいなところもあって、さらにJCSのユダでもあるんだ』と言われて『おっしゃる意味がわからないんですけど?』ってなったよ」とみんなを笑わせました。
そして「この歌はピピンの僕バージョンだ」と新曲のDoorway to Where。自分探しを続けるトファーの切なる願いを歌い上げる歌ですが、大真面目に妙な例えが入っていて、そこでみんなが爆笑します。このシリアスさとおかしさの絶妙なバランスがとてもアーロンっぽいなと思います。
リスとコマドリがどちらの歌にも出てくる話をしている時の、ふざけて言っている言葉が聞き取れない〜。
9. I Miss the Mountains (Next to Normal)
「ブライアンと僕は長年一緒にやってるけど、今日は2023年5月3日だろ?僕たちの最初のコンサート、NYCの54Belowも、5月3日だったんだよ、2013年の」とブライアンに語りかけるアーロン。
「冗談だろ?」「本当だよ」「10周年おめでとう(笑)」「おめでとう」会場からも大拍手👏👏👏
「ブライアンはネクスト・トゥ・ノーマルのツアーのミュージックディレクターだった。僕は10年前、自分のミュージックディレクターが必要で、N2Nのプロデューサーに相談したら、ブライアンを推薦されたんだ(って言ってる?違っていたらごめんなさい)」「そしていまここにいる」「素晴らしいね」
次の曲はそのネクスト・トゥ・ノーマルから、 I Miss the Mountains。お母さんのダイアナが、双極性障害の治療によって失われた、生き生きとした感情を懐かしむ歌。
歌い終わるとあらすじを紹介して、「このショーは僕の人生を根本から変えた。たくさんの人が『この物語を語ってくれてありがとう。これは私の母の、父の、兄弟の、従兄弟の物語だ』と話に来てくれた。舞台が持つストーリーテリングの力は人々の心に本当に触れる、それは特別なことなんだ。」とトニー賞のときのスピーチに通じるような話をして、会場から喝采が沸きました。
10. Dancing on my Own (Calum Scott version)
この曲も本当に美しい。街角に佇み、想う人が他の人とキスをするのを見つめる切ない情景が胸に迫ってきます。
ラストの”standing”が無段階に上昇して行くのを息を呑んで聴き入っていた人たちが、最後に「ほぅ…」と感嘆のため息をつくのが聞こえました。
11. Thunder Road (Bruce Springsteen, Chris Cornell Version)
この曲はブライアンのコーラスも美しくて毎回圧巻ですが、今回も、雷の鳴り響く道を二人で行こう、と呼びかける一編の物語を見ているようで、もうすばらしいとしか言いようがありません。この歌の時にアーロンは会場の中央あたりを見つめて歌ってくれたので、「メアリー、車に乗って」という仕草もまるで私に呼びかけてくれているよう。…と、周り半径3mくらいの人はみんなうっとりしていたと思います☺️。そしてこの小さな町で聞くと、都会で聞くのとはまた違った切なさがあるな…と思いました。
12. Being Alive (Company)
5年前、アーロンが舞台でこの歌を歌っている頃にお祖母様が亡くなって、その夜からずっと、この歌はそれまでとは全く違う意味を持つものになった、という思い出を語ってくれました。歌やミュージカルのストーリーテリングの素晴らしさは、その人の内面と結びついて常に変わっていくところだ、みたいなことを言っている気がします。
コンサートでも何度も聴いた曲ですが、この夜は久しぶりに、ピッツフィールドのCompanyの舞台でアーロンボビーがこの歌を歌った時のことを思い出しました。それはあの時と同じ演技という意味ではなくて、目の前で、ボビーが恐れ困惑しながらもまるで蛹が蝶に羽化するように強く深く変化していく姿に立ち会える感動でした。
歌が終わったとたん、満場のスタンディングオベーション。アーロンはブライアンと肩を組んでお辞儀をして、一回はけていきましたが、またすぐ戻ってきてアンコール。
13. ENCORE – Your Song (Movie Version)
Your Song、最初は舞台バージョンを歌いはじめてしまったのか、ブライアンとお互いに「あれ?」みたいな感じになって一度止めて、「なんか違った?あっ、映画バージョンを歌うんだった!」と歌い直しました。せっかくさっき感動的に終わったのに、そこで笑いをとってどうするのアーロン。
Thunder RoadからBeing Alive、そしてYour Songを通して、アーロンは、たとえ困難があっても誰かと繋がり共に人生を歩むことを恐れるな、と、私たちを勇気づけてくれました。これは一人ひとりの人生の向き合い方にも、学生さんたちの未来にも、地域のコミュニティのつながりにも、とても響いたことでしょう。やっぱり人の人生を変える力を持ってますね、アーロンは。
コンサートが終わった後、会場から出てくる人たちは一人残らずニコニコしていました。学生さんたちの目はキラキラ輝いて頬は紅潮していたし、品の良い老夫婦が「彼はすばらしいね」「本当にそうね」と言って腕を組んで歩いて行きました。いかめしい顔をしたロマンスグレーの紳士は、誰かを待ちながら Your Song を口ずさんでいましたよ。
ステージドア
普段コンサートの後にステージドア対応はないのですが、このホールは出口のすぐ隣の駐車場にステージドアがあって、たくさんのファンが詰め掛けました。出てきたアーロンはセルフィーにも快く応じてくれて、大学の職員の方に「はいそろそろ行きますよ!」と何度も声をかけられて車に乗り込み、そこからも手を振ってくれました。
私は出遅れてアーロンの近くまではいけなかったものの、フロントガラス越しに目があったらhey!と笑ってもう一度手を振ってくれたので、それだけで満足満足☺️。
余談ですが、今回は、アメリカの観光地ではない普通の町へ車なしで旅するのがどれほど大変かを身をもって体験しました。鉄道は1日1本。駅前には駐車場しかありません。タクシー会社はコロナ中に閉業、需要がないのかLiftやUberの数もとても少なくて、呼んでから実際に乗車できるまで1時間ちかくかかりました。
一番心配なのがコンサート帰りの車の手配でしたが、インスタでメッセージをやり取りしたことのある方が親切にも送ってくれると言ってくださって、お言葉に甘えました。
Thank you very much Lisa@tveit_on_the_brain, I really appreciate your kindness!
何人もの方がそういうメッセージをくださって、アーロンファン本当に優しいです。
2023年4月29日 Pittsburgh Post-Gazette インタビュー記事
2023年4月14日 コンサートに向けたアナウンス
MIAC grows national profile as Aaron Tveit draws fans from 25 states, 3 foreign countries
Tuesday, April 18, 2023
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Friday, April 14, 2023
コンサート概要
日時 May 3, 2023 7:30 p.m.
場所 Mary D’Angelo Performing Arts Center
501 East 38th Street Erie, PA 16546
チケット発売は9ヶ月近く前の2022年8月。それでもオーケストラ前方席はすぐに売り切れました。Adults: $50, $40, $35
Seniors: $45, $35, $30
Youth: $40, $30, $25
Non-Mercyhurst Students: $40, $30, $25
*Each order is subject to a $3 per ticket processing fee, regardless of purchase or payment method.
MIACライブシリーズ概要リンク https://www.mercyhurst.edu/news/mercyhurst-institute-for-arts-culture-raises-curtain-on-2022-23-miac-live-series
アーロンライブ概要ページリンク https://miac.mercyhurst.edu/events/aaron-tveit
チケット購入ページリンク https://miac.universitytickets.com/w/event.aspx?id=1434&r=6c3b375b7f3042449f103ce53bf9e3c4
Opened: 1996 | Seating Capacity: 792