アーロンの54belowのコンサートから1年以上たち、グレイスランドや映画の撮影中で舞台やコンサートなどは全く予定されていなかった時期。
この頃私はオンラインで英会話を学び始めたばかりで、もちろんひとりで海外旅行をしたこともなかったのですが、この機会を逃すと次はいつコンサートがあるかわからない、と思ったら、パサデナがどこにあるかすら知らないのにチケットをポチっていましたよ…。

パサデナはロサンゼルスの北東約30Kmの郊外、カリフォルニア工科大、ハンティントン図書館、ノートン・サイモン美術館や、古い町並みを残したショッピングエリアがあって、落ち着いた感じの街。その街の誇るパサデナポップス交響楽団の夏のシーズンの演目のひとつ”New York! Yew York!”にアーロンがゲストで出演しました。指揮者はいまや54belowの経営者でもある熟練シンガーのマイケル・ファインスタイン。共演ゲストはこれまた大物のパティ・オースティンとリズ・キャラウエイ。

http://pasadenasymphony-pops.org/concerts/new-york-new-york/

場所はロサンゼルス植物園Los Angeles County Arboretum & Botanic Gardenの野外ステージ。テーブル席と芝生席があり、夕方5:30から開場してピクニックをしてから7:30にショーが始まります。

現地に着くと、中学生のボランティアがとても礼儀正しく座席案内をしてくれました。街のみんなが支援しているコンサート、という感じです。そして足下にはクジャクが歩いていた…。

ところでピクニックとか、英語も話せないのに知らない人たちと同じテーブルでご飯を食べるなんてハードル高すぎる。と、びびりながらホールフーズでお総菜と飲み物を買って行きました。でもフードトラックも出ていたし、おうちでつくってタッパーで持ってくるひともいました。同じテーブルのひとが到着するたびに「こんにちはー」ってあいさつするくらいの気軽なピクニックでよかった。そのうちに日が落ちていよいよコンサートの始まり。ニューヨークからは遠く離れた西海岸にいて、音楽で粋なニューヨークの夜を楽しもう、という趣向のよう。

Pasadena Symphony and Pops New York, New York.

Pasadena Symphony and Pops New York, New York. photo credit : Carol Ohler
Michael Feinstein, Patti Austin, Liz Callaway, and Aaron Tveit. Great concert last night and all under an almost full moon.

セットリスト Setlist

1. New York, New York
2. Manhattan
3. Stompin’ At The Savoy
4. Street Scene
5. What More Do I Need
6. I Happen To Like New York

リズ・キャラウエイが思いっきり歌いあげた後に、いよいよアーロンが登場。聴衆は見渡す限り50〜80代といったところで、みんなのお目当てはパティ・オースティン。ファインスタインがアーロンを紹介した後も「アーロン・何ですって?」って全然知られていません。ちょっとかわいい若い子が来たわね的な立ち位置でしょうか。

7. Autumn In New York

米国では9月第1月曜日のLabor Dayが過ぎたら秋なのだそうです。ニューヨークの秋の風情を感じさせるこの歌、お姉様方が歌いあげ系なので、アーロンにはしっとりした曲が選ばれたのかな。

https://youtu.be/M4gcomvZumM 📹Yuko_AT_JPN

そして登場したアーロン。マイクを忘れて「君のマイクは?」と聞かれてエアマイクで話すふりをする。かわいい。そうしているうちに持って来てもらったマイクを、ありがとう、って受け取っていました。

上の動画だと白飛びしてよく見えないのですが、3:15あたり、’That brings the promise of new love’と歌うとき、こちらに向かって微笑んでくれています。

8. Broadway Baby

次の曲はBroadway Baby。「普通は女性が歌う曲だけど、今夜は僕が皆さんのために歌います」とか言って観客のおばちゃまが「いいわよ〜」とか言ってるのが聞こえます。

https://youtu.be/E31Sk6ePjUg 📹Yuko_AT_JPN

アーロンが歌いはじめたちょうどその時、舞台のすぐ左脇に救急車が到着して大きな音で到着のクラクションを鳴らしました。驚いたのなんのって、聴衆もかなり動揺してざわついたけれど、アーロンは全く動じずに、歌いながらちょっと流し目でにっこり笑って、逸れた聴衆の注意を一瞬で引き戻しました。その瞬間、場違いなクラクションもまるでブロードウェイの喧騒の効果音みたいに感じられたのは、本当に魔法のようでした。そのことを褒めている記事。↓

“Aaron Tveit followed stylishly with Conrad Sallinger’s arrangement of Autumn in New York. He then belted out Broadway Baby in the best “the show must go on” tradition because EMTs were taking away in an ambulance an audience member who had collapsed during the evening.”

Class Act http://www.insidesocal.com/classact/2014/09/08/review-feinstein-pasadena-pops-end-season-on-upbeat/

「アーロン・トヴェイトは、コンラッド・サリンジャーのアレンジによる『オータム・イン・ニューヨーク』でスタイリッシュな歌声を披露した。そして救急隊員がこの夕べの最中に倒れた観客を救急車で搬送していく中、“the show must go on”(ショーは続けなければならない)という伝統のもとで最高の『ブロードウェイ・ベイビー』を歌い上げた。」

(2020.06.27追記) COVID-19のための自粛生活が続く中、Pasadena Popsがコンサート映像を公開してくれました🙌。コンサート中にステージの両脇の大スクリーンに映していたから、撮ってあるとは思っていたんですよー。ありがとうありがとう。
Play at Home with the POPS Ep. 11 – Aaron Tveit https://youtu.be/vGWPhBiMdkA

9. Nothing Sacred – Main Title
10. Jumpin’ At The Woodside
— INTERMISSION —

同じテーブルの大美人の奥様と片言で話してたら「このコンサートのために来たの?アーロンなんとかを聴きに?日・本・か・ら?これは誰かに話さなくちゃ!」と言って休憩時間にほんとにどこかに行ってしまった。最後が海外小説のセリフみたい。
でも休みが終わるころ戻ってきて、「今日は中に入れてくれそうな人を見つけることができなかったわ。ごめんなさいね」と言ってくれて、目頭が熱くなりました。

11. ‘New York’ from “How To Marry A Millionaire”
12. Leonard Bernstein On Broadway このバーンスタインのメドレーの演奏は素晴らしかった!
13. American Barcarolle
14. Give My Regards To Broadway/ The Bowery
15. Here’s To Life
16. Ellington Medley

17. 42nd Street

https://youtu.be/lFEYN4ydXCQ 📹Yuko_AT_JPN

アーロンは一節歌ってすぐ引っ込み、最後にお姉様方と一緒に出てきて曲を締めました。

18. Theme from “New York, New York” Kander and Ebb
ファインスタインが曲ごとに、その曲の使われている映画やミュージカルのシーンや裏話をしてくれたのだけど、この人、本当にいろいろなことに造詣が深くて、英語が半分もわからなくても聴いててとてもおもしろい。人気があるのがわかります。そして最後に一曲歌ったけど、も・の・す・ご・く・うまい。ああ、アーロンもこれからまだまだ伸びていくんだね〜。と感じ入ったコンサートでした。

コンサート概要

Pasadena POPS 2014 Summer Concert Series “New York! New York!” 
http://pasadenasymphony-pops.org/concerts/new-york-new-york/
Saturday, September 6, 2014 7:30 PM 
Los Angeles County Arboretum & Botanic Garden  301 N Baldwin Ave, Arcadia, CA 91007

チケット

Advance lawn $20 Regular Lawn $25 Tables start at $42〜

私の座ったSection: Table Seats Front K17 ($88) からは、肉眼やコンデジの望遠ではこのくらいでした。

M&Gもがんばりました。