誰からも才能を認められプロのドラフトで指名されると期待されていたにも関わらず、指名がかからなかった不遇の選手ジョン・マゼッティ(アーロン・トヴェイト)。幼い頃から野球が好きで好きで、練習を積み重ね、数々の賞を取り、大学野球チームの中でもただひとりストイックに野球に専念してきた上での挫折。

トレーラーはコメディ路線だが「思うようにはならない人生と、どう向き合うか」という面から見るとかなりな感動作。マッズがデヴィッドに言った台詞は、自分に自信がなくなったときにもう一度聞いてみたい。しかし噛み煙草を噛んでいる選手たちがやたら唾を吐くのは勘弁して欲しい…(もちろんアーロンは唾を吐いたりしない)。

ちなみに字幕では常に「ジョン」だが実際にはあだ名の「マッズ」と呼ばれている。

チームメイト全員がよく言えば個性的、悪く言えばてんでバラバラで自分勝手に見えるのに、最初のシーンだけでなく全編に渡って、一人ひとりがそれぞれのやり方でマッズの失意にひどく心を痛めて、怒り、ふざけ、励まそうとしていたのだな…とじわじわ思い出されてまた感動する。

マッズと父親との絆の描き方もとても好きだ。幼い頃から父親と二人三脚で野球に打ち込んできたマッズ。野球が楽しくてうれしくてたまらないという笑顔。子役の子がアーロンと笑い方がそっくりなのもかわいい。

そして勝敗を分ける打席に立つ前に父親の姿を探すマッズの表情と、見つけたときの(見ていて)という微笑み。そしてラストの最高に素敵な笑顔。

何度でも見返したい映画だ。


アーロン自身も野球好きで、毎年ブロードウェイの劇団対抗ソフトボールリーグにも出ている程なので、この野球選手の役をいきいきと演じている。

『ゴシップガール』で共演したチェイス・クロフォードが製作総指揮を取り、この役はアーロンがぴったりだと推薦したそうだ。また、グレイスランドでジョニーを演じたマニー・モンタナ、そしてのちにグリース:ライブ!で共演することになるデビッド・デル・リオも共演している。

チェイス・クロフォード、タイラー・ホークリンなど、人気の有名若手俳優が揃っているせいか、7/15のアメリカでの発売と同時に日本のAmazonでもなんと「日本語字幕版」が発売されるという夢のようなことが起きてうれしかったなぁ。

現在Amazon Prime Videoに入っているので、Prime会員は無料で見られます!

Amazonビデオにもレビューを書きました。

おふざけ気味のメンバーが多い大学野球チーム。しかし彼らは、チームメイトのジョン・マゼッティだけはプロになれると信じていた。失意のドラフト当日は実力の差がある強豪との試合。どこにでもあるような大学リーグの一試合が、彼らの人生の中で最も大切なゲームになった― ジョセフ・マッゼロ監督(「ジュラシックパーク」ティモシー役。今回が初監督)の弟の実話をベースにした物語。
 不遇の選手ジョン・マゼッティを演じるのはアーロン・トヴェイト(「グリース・ライブ!」ダニー役、「レ・ミゼラブル」アンジョルラス役、「ゴシップガール」トリップ役)。ストイックでありながらやさしさと熱さを併せ持つ、静かな求心力のある青年を好演しています。試合中のある事件をきっかけに失意の底から這い上がった時、文字通り眼の色が変わるのは見どころ。  
チームメンバーの一人ひとりの個性やエピソードがくっきりと描かれるところも面白さの一つ。メンバーの独白や言い争いさえもが、お互いのこころに深く影響を与えて人生を変えるきっかけになった事を予感させる群像劇です。  
製作総指揮のチェイス・クロフォード(「ゴシップガール」ネイト役)は、物語の中ではバロンというチャーミングな脇役に徹しています。作品詳細では主演の一番最初に名前が出ているので、主役を期待されていたファンの方はがっかりされるかもしれません。でも彼の出番が少ないという理由で星を減らしたりしないでほしい。チェイスがこれまで共演してきた中からこの物語にぴったりというキャスティングをし、お互いの忙しいスケジュールをぬって最高のチームワークで撮影をしたそうです。

2021.05.01 Wikipediaにあらすじを書きました。

ある年の夏、学生野球チームのDバックスは郡大会の準決勝に臨んでいた。 
試合前、彼らは実力のあるチームメイトのジョンのドラフト指名を今か今かと待っていた。しかしついに指名されることなくドラフトは終わる。 
相手チームのブルドッグスはルールの隙をついて他チームの強豪選手を何人も買収してきたため、Dバックスは苦戦することになる。 
ジョンは虚しさを抱えながら試合出場を決意する。 チームメンバーは、中継ぎから先発にさせられたストレスに弱い投手、うぬぼれやのパワーヒッター、怒りのコントロールに問題のある外野手、クリップボードに嫉妬する選手監督、熱心すぎるキャッチャー、左肩に古傷を持つ中年、そして誰もがチームにいたことを忘れていた男など、12人の士気はバラバラだ。 
それでも最終回まで同点で相手を抑えたDバックス。しかし投手のデルスは敵のヤジに自信を失い失投を重ねる。ホームを守ろうとしたキャッチャーのガーヴィーは、敵のランナーからのルール破りの体当たりを受けて意識を失う。それをきっかけに両チームは乱闘になり、駆けつけた警官にタイとヴィニーが逮捕されてしまう。 
1対3に追い込まれた最終回、Dバックスは残された9人で完璧なプレーをしなければならない。失意の底から這い上がったジョンが指揮をとり、全員の心が一つになる。一人ひとりが真価を発揮し驚くべき方法で強打者のジョンに打線をつなぎ、ツーアウト満塁の打席を迎える。打席に向かうジョンを見て、父ジョーイは彼が幼い頃から野球を愛し、共に打ち込んできたことを思い起こす。 
球場中が息を飲んで見つめる中、ジョンは最後の打席に立つ。